消費者金融の差し押えはどういう場合に行われる? 給料や貯金も差し押え対象に
キャッシングの返済を怠ると、財産を差し押えられることがあります。でも、それはあくまでも貸したお金を返してもらうための最終手段であって、滞納すると即差し押えではありません。ここでは、差し押えに到るまでにどういう手順が踏まれ、何が差し押えられるのかについて紹介します。
滞納を続けていると、消費者金融は法的処置を取ることができる
キャッシングを利用する際、約束した期日までに返済していないと、消費者金融から督促の電話がかかってきます。そのときに返済日を伝えて滞納分を入金すればよいのですが、滞納したままだと改めて督促の電話がかかってきます。督促の電話を見過ごして滞納を続けていると、法的手続きを検討する旨の通知状が送られてきて、消費者金融は債権者として、債務者(滞納者である借り手)に借金の全額支払いを求める法的手続きを進めます。
つまり、「消費者金融から督促の連絡が入る」→「それに応じず滞納を続ける」→「消費者金融は融資金を回収するため法的手段を取る」という流れになります。
裁判所の命令を放置していると差し押えが行われることがある
法的手続きには大きく分けて「貸金の返還を求める民事訴訟」と「裁判所による支払督促」があります。どちらも「借金を返済してください。返済されない場合は差し押えを実行します」ということを裁判所から債務者に命令してもらうための手続きですが、「裁判所による支払督促」は書類審査だけで債務者に返済命令を出すことができるため、こちらの手続きを取るケースが多いようです。
「裁判所による支払督促」の場合、裁判所で審査して債権者の申し立てが認められると、裁判所から債務者に「支払督促」が送られてきます。これに対し、債務者は支払督促を受け取ってから2週間以内なら「異議の申し立て」をすることができます。異議の申し立てをしないと裁判所から仮執行宣言が出され、差し押えなどの強制執行が可能になります。異議の申し立てをすると、訴訟手続きに移ります。
これをまとめると、裁判所から支払督促が来たときの債務者の選択肢は、
①支払督促に従い、借金を返済する
②異議を申し立て、訴訟手続きを取る
③借金を返済せず、異議も申し立てず、強制執行を受ける
の3つになります。
差し押えられるのは、給料や預貯金、車、大型テレビなどの動産
借金を返済せず、「裁判所による支払督促」に異議を申し立てなかった場合は、裁判所が債権者の申し立てを認めて強制執行が行われます。強制執行でよく利用されているのが、債務者の給料や預貯金の差し押えです。ただし、給料を全額差し押えられたら生活が成り立たなくなるので、差し押えられるのは原則として月給の4分の1と決められています。給料の差し押えだけで借金を回収する場合、全額を回収するまで何か月でも差し押えられます。預貯金の場合は、借金の額によって全額差し押えられることがあります。
また、車や貴金属、高級家具などの「動産」も差し押えの対象となります。ただし、冷蔵庫や寝具など、最低限生活に必要なものは差し押えが禁止されているので、何もかも根こそぎ取られるということはありません。
消費者金融から督促が来た時点で早めに対処しよう
強制執行が認められて給料や預貯金、動産などが差し押えられると、生活に大きく影響します。給料の場合は勤務先にも差押命令通知が届くので、職場環境が変わる可能性もあります。そうなる前に早めに問題の解決を図りましょう。消費者金融がどの時点で裁判所に「支払督促」や「民事訴訟」を申し立てるかは借り手にはわからないので、できればその前の、消費者金融から督促が来た時点で対処することが大切です。借金から逃げていては何の解決にもなりません。返す意志があっても生活が苦しくて返済できない場合は、専門機関や弁護士などの専門家に相談して最善の策を検討するのがよいでしょう。
まとめ
・消費者金融の督促を見過ごしていると、法的手段を取られることがある
・給料や預貯金を差し押えられると、生活に大きく影響する
・借金を返済できなくなった場合は、早めに専門機関や専門家に相談しよう